Webスペースの無駄使いのその2

色でいうならば灰色

死んでるブログと言わざるを得ない

お久しぶりです。更新のたびにそう言っている気もします。

そんなわけで年が明けたので
このブログも何周年か忘れましたが新しい年となりました。
本当は年明けで日が変わったと同時に更新しようと思っていたのですが、
気がつけば三が日も終わってしまいましたね。

書いた小説の宣伝とかもしようと思っていたんですがそれもせず……。
ツイッターが楽すぎるのがよくない。

多分今年もここを有効活用はしないと思いますが、
なんか長文を書く時に使えたら使いますので、
まあ今後ともよろしくおねがいいたします。

小説を書きました

随分久しぶりに小説の新作をアップしたのでまた時間があれば読んでやってください。
たまに書いている探偵ランサのシリーズの日常の謎です。

しかし小説って難しいなあ……。

ニンジャスレイヤーを知らない人のための『スズメバチの黄色』案内

ドーモ。突然ですが、あなたはニンジャスレイヤーという作品を知っていますか?
知ってる?そりゃ良かった。では翻訳チームのガイダンスに従ってスズメバチの黄色に飛び込んでください。
知らないあなた。そう、この記事はそんなあなたにスズメバチの黄色を知ってもらいたい。
そのために書かれたものです。ではまず、軽く作品紹介から行きましょう。

スズメバチの黄色

スズメバチの黄色

 

 で、スズメバチの黄色がどんな話なのか?

それについてまず軽く説明すると、下層社会で生きながら本物になりたい青年たちと、最上級階層から没落して流れ着いた少年のボーイ・ミーツ・ボーイストーリー。そこにヤクザとサイバーパンクを混ぜて、そこにニンジャをひとつまみ
ストーリーは、最近の流行りでいうところの感情の重い男と男の物語、そして異世界にやってきた少年が元の世界の知識で無双する、みたいな(ウソ大げさ紛らわしい)

とまあ、それは誇張としても、下層ストリートでヤクザの下っ端をしている青年一歩前の少年が、没落したヤクザの長であった少年と出会うことで、彼らの反逆が始まるという話なのは間違いない。
この元ヤクザの長、ラオモト・チバの器の大きさこそがまずこの話の大きなキモとなる。

ラオモト・チバ

まだ10代半ばにもかかわらず、多くの鉄火場をくぐり向けてきた度胸と、ヤクザの家に生まれた育ちの強さ、そして彼自身が持ち得ていた才覚が、小さな街で遺憾なく発揮されるのである。
これを無双といわずなんとする。
だが重要なポイントは、それらがチバ自身の力だけでなく、それがもうひとりの主人公、火蛇の能力を引き出すことに向けられているのが爽快なのだ。

火蛇(かじゃ)

一方、その火蛇は己の街を愛し、本物になりたいと願いながら、ヤクザの下っ端として仕事をこなす少年だ。
チバが己以外の全てを奪われた存在だとしたら。火蛇は持っていることさえ緩やかに諦めた存在といえるだろう。
チンケなヤクザの下っ端では先がない、しかしそれ以外にこの街を生き抜く術はない。
本物に憧れるが、それになれないことを知っていて、真似をすることしかできないでいる。

大熊猫(おおくまねこ)

そしてもうひとり、そんな火蛇の幼馴染にして相方の青年が大熊猫だ。
彼は無数のドローンを自在に操れるほどの才覚を持つが、肉体的に力を持たない彼一人で生きていくには、ネオサイタマも彼らの街も危険すぎるのだ。

 

火蛇と大熊猫、彼らは彼らだけではその才を活かしきれず、お互いにお互いを尊重しながらもそれが枷ともなり、ヤクザの下っ端から抜け出せず、やがて切り捨てられるか野垂れ死ぬか。
そんな彼らの運命が、チバを助けたことで変わるのだ。

鮮烈なるチバの知恵、火蛇の戦闘能力と機転ともう一つの才覚、そしてそれを支える大熊猫のドローン操縦テク。
ボーイ・ミーツ・ボーイウィズボーイと、
鮮烈なアクションと、
ヤクザの陰謀劇の隙間を縫う知恵と策謀
その全てが、スズメバチの黄色にはある!


未読者のためのFAQ

Q:ニンジャスレイヤーを知らない、もしくはに興味がなくても楽しめますか?

A:問題なしです。鮮烈なサイバーパンクや・ヤクザアクションや、若者たちの感情と反抗劇を楽しみたいなら充分イケます。本編のキャラも小ネタはありますがチバ以外は出ません。

Q:ニンジャスレイヤーの外伝ですが、ニンジャは出てくるのですか?

A:ネタバレをしてしまうとニンジャは出ます。ニンジャスレイヤーは出ません。
ニンジャとは超常の力を得た者の総称でありますが、それが作中でどのように絡むのかはここでは伏せておきましょう。

Q:そうは言ってもニンジャスレイヤーのトンチキ世界なのでは?ボブは訝しんだ

A:その点はかなりうまく誤魔化されています。文体も普通ですし、トンチキニッポン感も事前にワンクッション置くことでさも普通に見せている場面が多いです(全てではない)
まあ、トンチキ日本感自体、サイバーパンクの華というところもありますし……。
そういった雰囲気に役立っている程度だとは思いますよ。

 それでは、一人でも多くの人が、この鮮烈なサイバーパンクティーンエイジャー・ヤクザアクションに触れますように! 

スズメバチの黄色

スズメバチの黄色

 

広告には宣伝で対抗だ

更新サボっていたらトップに広告が出たので対抗してざざっと更新。
char819.hatenablog.com

 このとき紹介した佐々木匙さんの本が出ましたよ。

もともとカクヨムで連載していたやつなので読んだ人もいるかも知れませんが。

帝都つくもがたり (角川文庫)

帝都つくもがたり (角川文庫)

 

昭和初期の帝都を舞台に三文文士と新聞記者が怪異を探してその謎に触れるといった感じのお話です。

 

あと、こちらで紹介したCATさん
char819.hatenablog.com

こちらも本が出ております。 

杖作りとは全く雰囲気の異なるグルメコメディですよ。

詳しい内容なんかはまた機会があれば書きます。

よかったら読んでみてください。 

 そんな簡易更新でした。

 

夜猫ジュブナイルという青春の写身

突然ですが、ジュブナイル、という言葉にどういう印象を持ってますか?
ウィキペディアによれば、

ジュブナイル (juvenile) は、ティーンエイジャーを対象とする修飾詞。(中略)
日本では略して「ジュブナイル」だけで、児童あるいはヤングアダルト向けジャンルの呼称として使われている。

ジュブナイル - Wikipedia

ということだそうで。
ようするに、思春期の少年少女の物語という感じでしょうか。

で、本題。
カクヨムに、その名もズバリ『夜猫ジュブナイル』という作品があるのですが、今日はその紹介のブログです。

kakuyomu.jp

この物語の主人公は、音楽が好きだが特徴もない。発展性もない。
きっと、大した未来も待っていないと自分を考えている少年、三田村真也。
彼の人生の転機は進路相談と白紙の進路希望から始まります。
白紙の希望進路
まずこの状況からして思春期の少年の大いなる自由と不安が浮き彫りになっていて、
グサっとくるんですよね。
自分の未来を決められないままの少年。
その真っ白な未来のビジョンが、彼を黒い夜へと走らせる。
で、そんな夜に彼は謎の転校生であったクラスメイトの長瀬夜子と出会い、
自分が黒猫になってしまっていたことに気がつくわけです。
この世界ではそんな悩みを持った人々が、なにかしら姿を変えてしまう現象があると。
そうして長瀬夜子とその叔父である探偵の呉末明、
彼らの話から自らの身に起こったことを知り、
三田村くんの思春期が動き出していく。

その後、彼以外にも不思議な姿に変わる少年少女たちが現れるのですが、
彼らもまた、それぞれに悩みを抱え、変わってしまった存在なんですよね。
その誰もが、どこにでもある『自分』と他人との関係に悩む少年少女であり、
だからこそ、三田村くんや長瀬、そしてその他の面々との出会いで彼らが自分を受け入れていく姿に心を打たれるわけです。
そしてその中での、三田村くんと長瀬の関係
それぞれの想いは物語において重要でありながら、表には出せないもどかしさもあり、それがラストの展開につながっていくという……。

起こっていることは特別だけど、その感情は特別なわけではない。
どこを切ってもどこかにありそうな、だからこそ普遍的で尊い思春期。
どこにでもあり、誰もが違う。
まさにそういった物語が、この夜猫ジュブナイルなのです。

夜猫ジュブナイル(佐々木匙) - カクヨム みんなも読もう!

 余談

作者の佐々木匙さんは第4回角川文庫キャラクター小説大賞読者賞を受賞している
作家の卵(まだ本自体は出ていないため)なので、
先物買い的にも今のうちに読んでおいて損はないですぞ!

あけましたらおめでとう

こっち(はてなブログ)に移転してきたので忘れていましたが、

今年も新たな年を迎えることが出来ましたね。

つまりこのブログも新たな年というわけです。

完全にツイッターに取って代わられているブログではありますが、

皆様とうぞよろしくおねがいします。

そうそうツイッターはこちらです。

twitter.com

1518の青春を君も見ろ!

突然だが、1518(イチゴーイチハチ)というマンガを知っているだろうか? 

この傑作青春マンガ、面白いのだが地に足ついた真面目な生徒会活動という舞台もあってどうにもこうにも地味であり、面白さが伝わりにくいという欠点を抱えている。
そのため、まずはこの作品がどう面白いのか、少しばかり考え、語ってみようと思う。

・イタリアから日本どころではない距離を経て

1518を語る上でまずどうしても避けられないのが、
作者の前作であるガンスリンガーガールの存在だろう。

ガンスリンガーガールはキャッチコピーからし
少女に与えられたのは、大きな銃と小さな幸せ」という直球のエモさであり、
その内容も
『成長を止めて身体能力を向上させた記憶も曖昧な少女たちが対テロの秘密工作員として顔のいい大人になりきれない面倒くさい男性とペアを組んで現代イタリアでドッカンドッカン格闘とか銃撃戦とかする』
という高カロリーなケレン味の塊のごときものだったのに対し、
1518は『どこにでもいそうな、いくらかの挫折を経た少年少女の地に足ついた生徒会の物語』という舞台設定であり、
ハッキリ言ってしまえばケレン味が薄くフックが非常に弱い。
ということで、ここを踏まえつつ魅力を紐解いていこう。

・どこにでもある日常の味

個人的に1518において最も重要なテーマは、
日常を楽しむこと』だと思っている。
もちろんそこを語る上での作品の根底こそがボーイミーツガールであり、
話そのものも
怪我で野球を諦め、未練を抱え無気力な高校生活を送ろうという少年、烏谷公志朗
特に目標なく高校生活に入り、そこで憧れだった烏谷と再開を果たした少女、丸山幸
という、高校生活で行き場を見失っている二人が、
出会いと生徒会の活動の中で新たな自分を見つけていくという筋なのだが、
そこで彼らに起こる出来事は、実際のところ、そう大したものではない。
どこにでもある、とまで言ってしまえば言い過ぎだが、
この世界のどこかで起こっていることの範疇を出ないだろう。
そんな、なんでもないような世界で、彼らはできることを見つけていく。
その発見の輝きの描き方がべらぼうに上手いのである。
彼らが見た輝きを、読者にも同じように見せるのだ。
それは物語そのものであったり、
各キャラのセリフの流れであったり、
コマの捉え方であったり……、
それをキャラが感じるように、読者にも感じさせるのである。

・バーサス・アンダースロー

例えば最初のサプライズともいえる第2話の会長のアンダースロー
そこに至るまでのそれぞれの会話や反応から、
会長が野球をやっていたのは丸ちゃんとの会話で示唆されつつも
その実態は掴めないし、
丸ちゃん以外の役員はそのことさえも知らない。
ザキさんとコーシローの会話「武士の情けで(ry」が一番わかり易いだろう。
そしてその流れで大きくコマを使ってからの、あのアンダースロー
そこでコーシローやザキさんと同じように、読者も度肝を抜かれるのである。
なにが起こったかわからないまま、コーシローと同じ視点で会長を見る。
こういった流れを積み重ねることで、それぞれの出来事が些細なことでも、
とても強く印象に残るのである。

・君にも見える青春の輝き

そしてこの作品は、そんな彼らの感じたことを読者も同じように感じるという効果が
彼らの関係の変化や心境にまでおよんでからが本番なのだ。
喜び、悲しみ、恋をして、そこに戸惑う
彼らという存在を知ったとき、その心の動きもまた、
同じように読者の心に響かせてくるのである。
そこがまあ、スロースタートたる所以でもあるのだが。
とかくまあ、説明しても説明しても地味になってしまう1518ではあるが、
極上の青春を『見る』事ができるのは間違いなく保証する。

だからみんなも読もう!

 

1518! イチゴーイチハチ! (6) (ビッグコミックス)

1518! イチゴーイチハチ! (6) (ビッグコミックス)