Webスペースの無駄使いのその2

色でいうならば灰色

絶望指名都市のスーパーヒーロー・プロダクトノートその3

はいhttp://ncode.syosetu.com/n1673cu/の時間です。
今日のテーマは主人公、宇佐美真くんについてですよ。
読んでもらった皆さんもご存知の通り、彼の基本コンセプトはヒーローになりたい厨二病高校生
孤高を気取り、赤いマフラーをいつも巻き、正義を成すために街を『パトロール』する。
痛いですね
そんな痛々しい真くんが憧れのヒーローになるはずが、なぜか魔法少女になってしまうのがこのお話の肝なわけです。
しかし、この宇佐美真という少年、既に己の厨二病に対して醒めた目を持ちつつあるのも事実。
トロールといっても不良相手に喧嘩をする程度だし、
怪物を目の前にしてその存在を疑うほど。
自分自身でも自分と世界の無力さにどこかで気付いているわけです。
それでもヒーローであることを諦められないから、マフラーなんぞ巻いて街を彷徨っているわけですね。
そんな彼が力を手に入れた際、それをどう使うか。
彼はヒーローそのものに憧れている節があるので、そしてその裏に自暴自棄のケがあるので
多少のリスクなら喜んで受け入れるでしょう。
人は自らの基盤が緩んでいる時ほど脆いものです。
しかし結果は魔法少女
しかも変なオプション*1つき。そこから彼の苦難が始まるわけです。
彼にとっては世界の危機や生命の危機なんかよりプライドのほうがよっぽど重いですしね。
彼の孤高ぶりもそのプライドゆえですし。
ひとつだけ種明かしをするんですが、基本宇佐美くん視点で描かれるこの小説、
クラスメイトの立花のことを一度も友人と呼んでいなんですよ。
つまり宇佐美真は、立花という人物を友人とは思っていない*2
そのあたりの酷薄さを踏まえながら読むと、さらに宇佐美真という人物の裏側が見えるかもしれません。
彼にとってヒーローとはなんなのか。
http://ncode.syosetu.com/n1673cu/は、それを見つける成長物語です。

*1:ヒロインとか

*2:立花という人物を見ると当然といえば当然でもあるが……