Webスペースの無駄使いのその2

色でいうならば灰色

あるいはヒュージ・クロニクル

今もっとも顔が近い!!!!!ホットな!!!!!!!!!
ニンジャ漫画

ニンジャスレイヤー グラマラス・キラーズ2 (B's-LOG COMICS)

ニンジャスレイヤー グラマラス・キラーズ2 (B's-LOG COMICS)

その感想!
あのニンジャの驚愕の正体などある。ネタバレ注意な。
実際のところ、顔が近いというキャッチコピーに反して、このエピは遠くにある心に近付こうとする話である。
エピソードの主軸であるヒュージシュリケンの心情こそが、もっともそれを体現しているだろう。
象徴的なのがアースクエイクとの距離、シックスゲイツという存在への距離感だ。
居場所を求め続けるヒュージにとって、自分がシックスゲイツという存在にふさわしいかどうかは、
常に心のどこかに引っかかっている、届きそうで届かない問題であると描かれる。
それゆえに、もっともわかりやすいその結果として、
先輩であるアースクエイクに認められる事こそを求め続けているとも言えるだろう。
しかし、バイセクターとなってからは一転、
本人は全てを失い失意のどん底になりながら、
周囲は彼に栄光のシックスゲイツを見ているのである。
ディスエイブラーやラオモト・チバの言葉にもそれが現れている。
求め続けた者が、全てを失った後、皮肉にも求められる立場となったのである。
そして、そんなバイセクターの前に現れたのが正体こそ隠しているものの、
因縁の相手であるニンジャスレイヤーなのだ。
すべてを取り戻すために、シックスゲイツにふさわしい自分であるために、
ヒュージは今度こそニンジャスレイヤーに勝たねばならなかった。
それこそが、命令ではなくヒュージシュリケンとしての勝利を求めたエゴそのものだろう。
チバに報告を偽り、勝負を挑んだ決意はなんとも重い。
そして、それを終わらせるのもまた、ニンジャスレイヤーであった。
彼がここに至るまでに積み重ねてきた憎悪と狂気は、誰もが知るところであろう。
慈悲はない!という普段の言動とは裏腹に、
ヒュージに対するカイシャクは怨霊を慰めるかのような慈悲に満ちているようにも思える。
そしてアースという最後のつぶやきから穏やかなニンジャアノヨへと移り、
連載では脱け落ちていたというヒュージの最後の言葉へつながる。
ツイッターの実況テンションでラスト一話だけ読む際には必要ないとも思えたかもしれなかったが、
この一巻を通してヒュージ・クロニクルを読んできたのなら、この言葉は絶対に必要なものだと確信することだろう。
あの一言には、まさにヒュージシュリケンの全てが詰まっているのだから。