Webスペースの無駄使いのその2

色でいうならば灰色

股旅フットボール 

本の感想。
とは言ってもmixiに書いた物の転載なんだが。
色々思うところあって、こちらにも

股旅フットボール

股旅フットボール

以下転載

まずは私事から。
この筆者に対して、俺が一方的に恩人と思ってます。
あのドイツワールドカップ直後のジェフサポの悲観の中、
協会のやり方に疑問を呈し、
ジェフの立場も考えたコメントを出してくれた数少ないライターさんのひとりなんで……
あのときは、本当にありがとうございました。

で、本の本題。
本の内容は、サッカー地域リーグを取材をひとまとめにした物だ。
そこには、非情な現実に満ち溢れている。
それこそ、ジェフの監督をとられたなんてものすら霞むような、
チーム存続の危機と厳しい社会の仕組みと悲しき弱者の立場が鮮明になっている。
特に、取材時から出版時までで経過した時間で起こったことに関する補足が、
嫌が応にも現実を浮き彫りにする。
数年前、三重県のサッカー事情を取材させてもらったとき、自分も同じことを感じさせられた。
前に進まねば明日のない、それでいて壁は高く枠は狭い。
そんな状況で、その狭い枠を前に進まねば先のないチームが
必死に取り合っているのが現状なのである。
でも、そこにも夢があることもまた、この本には書かれている。
たしかに華々しい光も素晴らしい超絶プレーも有名な選手もほとんど存在しない。
だが、サッカーの本質は変わらないし、そこにも人々がいる。

だからこそ、現実の負の面と同様に現実の希望も映し出されている。

読み終わって、筆者の言う
4部リーグにこそ、その国のサッカーの本質がある
という言葉が、
ひどく重く感じられた。
代表狂想曲の裏側で、
まだ日本のサッカー界は、
夢を見ながらよちよち歩きをしているだけにしかすぎない
と実感させられるばかりなのだ。
日本サッカーの現実の光と影が、この本に書かれていることの本質なのだと思う。