Webスペースの無駄使いのその2

色でいうならば灰色

見える世界の違い

何かここ最近は、同じ物を見ても人によって違う物が見えていることを
よく感じさせられた。
昨日、デザイナーの人と話をする機会があったのだが、
彼ら*1は文字の大きさや配置のバランス、
レイアウトの微妙な位置にまで気を使っているそうだ。
まあ、自分の似たような物に当てはめて考えてみれば当然のことなのだが
我々はその些細なレイアウトデザインに
そこまでの意志が宿っていることに気が付かないのもまた事実だろう。
その逆に、今日は俺が、
作ったプラモをまったく模型に興味がない人に見せる機会があったのだが、
彼は俺の作った物を、明らかに俺や、その他モデラーが見る目とは、
まったく異なった目で見ていた。
彼がまず驚いていたのは、塗装することであり、
次に驚いていたのは組み立てること、
そして色味や汚しなどだった。
モデラーの目で見ていくと、何かしらの模型*2を見ると、色味と汚し、そして何よりもディテールに着目する。
細部まで手が加わっていれば良い作品であると思うし、
それを見つけるのもまた模型を見る楽しみだろう。
だが、模型の経験がない人間は、まったくそんなことを考えないと思われる。
タミヤの精密な模型だろうがロシア辺りのずさんな模型だろうが
戦車の形をしていればそれは戦車であり、
色や大まかな形から彼らはそれを『リアル』と感じるのである。
それは、俺がデザイナーの仕事ぶりを見て、
縦書きか横書きであることと、
ちょっとの配置ぐらいからしかデザインを判断できないのと同じ事であろう。
彼らと俺の目に映る物は、同じ物でもまったく違う姿をしているのだ。
昨日書いた知識によって新しい世界が開けるというのは、
まさにこの事に繋がっているのだろう。
学ぶことによってそれを吸収し、目に映る世界、感じる世界が変わるのである。

*1:いやまあ、話を聞いた人は女性だったが

*2:それが完成品であれ誰かが作った物であれ