今ではない場所への慕情

犬の散歩の時、塾へ向かう中学生の波をみた。
そんな時、不意に過去が懐かしくなる。
ただただ無邪気な小学校生活
嫌なことも多かった中学生活。
それなりに楽しかった高校生活。
よくわからないまま楽しみ損ねた大学生活。
毎日がぼんやりしながらも充実していた大学院生活。
戻りたいと思うこともよくある。
戻ってやり直したいことも多いが、
あの時、あの頃の時間が永遠に続けば、と思うのだ。
でもそれは、ただの不完全な理想郷にしか過ぎない。
今が全てにおいて楽しくないわけでもないし、あの頃が無条件に素晴らしいわけでもない。
背負う物は重くなったり大きくなったりしたけれど、
過去を理想郷にしているのは、あの頃の荷物を忘れてしまっているだけにしか過ぎない。
過去は過去、今は今。
結局はただそれだけのこと